2021年9月23日木曜日

『本は読めないものだから心配するな』

もともと記憶力がいい方ではありませんが、
ここ数年、ほんとに我ながら「?」のことが多くなっています。
映画も、タイトルを聞いても「見たことないなあ」と思い、
実際見始めて、あれ、なんかこれ……となり、
しばらく見てやっと、これ見たことあるじゃん!
となることがあります。
でも、
これはまあそれほど多くないし、いいんです。
問題は、本。
読んでいるときはおもしろいんです。
へえ~、なるほどね~、
そういう角度もあるのか~、すごいな~、
と思って読み進めて、読み終わってしばらくすると、
あれ、あのおもしろかった本、どんな内容だっけ?
となることが、これはめちゃめちゃあるんです!
もうこんなことじゃ、読まなくても一緒……?(涙)
という展開にさえなりかねないんですが、
(まあ、なりはしませんが)
もしもこんな経験が少しでもあるなら、
この本があなたを、やさしく大きな手で、
エンカレッジしてくれます。


この管さんの本、12年前に出版されたんですが、
今回、文庫となって再デビューを果たしました。
パチパチパチ!
(装丁もステキですね。)

「ただひとつ、確実にいえることがある。
すべての書店は、互いにつながっているということだ。
店の大きさ、場所、並べられた本の分野や価格、
それらの本が書かれた言語、
新刊か古書価の違いすら、問う必要はない。
ひとつの本屋の棚をずっと、
近視の蟹のようにきょろきょろと視線をさまよわせながら横歩きしていくうちに、
いつのまにかきみは別の本屋にまぎれこみ、
でも誰も気にもとめない。」

そしてそれは、

「各地の新刊書店、古書店、学校図書館、
地域の図書館、個人個人の蔵書などと突発的に無限につながりつつ……」

Mmm...
こんな目眩がする本、めったにないですね。