評判通り(?)、未消化な部分がいくつも残っていますが、
観客を最後まで引っ張っていく力があることは確かだと感じました。
おそらく言われ尽くしていることなんでしょうが、
『序』『破』あたりは、
「父親の愛」に関わる葛藤がモチーフに見えました。
『Q』では、
肉体と精神に分離した2人の母親(初号機/綾波)と息子の物語にも見え始め、
『シン』になると、
明らさまなエディプス・コンプレックスのテーマ、に見えました。
ただまあ、それぞれの文脈では、
はっきりした着地点が示されておらず、
またモチーフ/テーマ同士の関係も、
曖昧なまま終わった憾みはあると感じますが。
また、これも言われ尽くしているのでしょうが、
やはり、綾波レイが、「感情」を学んでいく過程が、
「現代的」に見えました。
観客もまた、それらを(綾波とともに)順に学び直すわけなのでしょう。
そして、綾波は美形なので、
(性的なプレゼンテーションもあるわけだし、)
彼女が生きる過程を愛おしく思う人たちがいても、
不思議はありません。
「その後の世界」という意味では、
『ナウーシカ』を思い出しますが、
この点については、院生の評が触れています。
自分からは見ないだろう作品だったので、
なかなか勉強になりました。