2008年12月25日木曜日

夜中に台所で


今日は25日、というわけで学校に行ってきました!?

静かな大学。まあどっちにしろ研究室にずっといるだけだったので、あまり関係ありませんが。

今日は大物の一人、谷川俊太郎の詩を調べて書きました。たしかに大物で、単行詩集だけで50冊、選集や全詩集もいれると80冊! だそうです。

今まで取り上げてきた詩人の中には、数冊の詩集のみという場合もありましたから、それに比べるとおそろしいほどです。しかも、あの鉄腕アトムの作詞をしたり、スヌーピーの翻訳をしたり。

彼のように、活動範囲が広いのはいいですね。もちろん誰にでもできるってことじゃありませんが。

谷川の詩集で一番印象に残っているのは、『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』です。高校生のころ読んで、その後も何回か読んで…… 数年前に、某大学の書籍部から、新入生へのメッセージと一緒に、これは! という大学生向きの本を挙げてくれ、という仕事がありました。で考えて、この本を挙げた記憶があります。ま、何学部でもいいように、という含みもありましたが、なんといっても、分かりやすいので推薦しやすいです。その中の一篇。題はありません。

男と女ふたりの中学生が
地下鉄のベンチに座っていてね
チェシャイア猫の笑顔をはりつけ
桃色の歯ぐきで話しあってる

そこへゴワオワオワオと地下鉄がやってきて
ふたりは乗るかと思えば乗らないのさ
ゴワオワオワオと地下鉄は出ていって
それはこの時代のこの行の文脈さ

何故やっちまわないんだ早いとこ
ぼくは自分にかまけてて
きみらがぼくの年令になるまで
見守ってやるわけにはいかないんだよ

高校生の時いいと思って、今でも思います。ゴワオワオワオ、ですって!