2022年4月14日木曜日

『リービング・ラスベガス』

というわけで、
2022年度、授業開始しました。
月、火、水、と、
担当するすべての授業を一回りして、
まあどんな雰囲気か確認できたので、
なんというか、落ち着きました。
すでにそれぞれの授業の「内容」に踏み込んでいますが、
来週からはより「ふつう」の授業になります。
がんばっていきましょう!

で、
水曜に移動した大学院のゼミ、
初回は、

『リービング・ラスベガス』(1995)

を見ました。
院生の一人が、ニコラス・ケイジ特集をしているが、
まだこれは見てないというので、
それなら、となったのでした。
でもなぜ、それなら、なのかというと、
わたしにとってのニコラス・ケイジは、
この映画だからです。


昔見て「いい」と思った映画を見るのは、
少し怖さがあります。
というのも、何本かは、
ぜんぜんおもしろくない!
と感じてしまったことがあるからです。
(『冒険者』がその筆頭。)
でも今回は、杞憂に終わりました。
『リービング・ラスベガス』、
なかなかよかったです。
酒に溺れ、妻子が去り、
職も失った男、ベン。
彼は、飲み続けて死ぬことを願い、
ラスベガスに向かいます。
そこで出会ったのが、娼婦のサラ。
深い孤独を抱え込んだ彼女は、
なぜかベンに心を開かされるのです。

墜ちてゆく物語です。
タナトスが、タナトスとして輝きます。
この墜ちてゆく過程は、もちろん現実には、
もっと悲惨で、もっと過酷で、もっと汚らしいはずです。
それを差し引いても、
墜ちてゆく男も、
それを見届ける女も、
なかなかよかったです。

こういう映画が好きなところは、
変わらないのねえ、と思ったのでした。