2022年4月18日月曜日

『教授と美女』

ハワード・ホークスの作品を少しまとめて見ようと思い、
最初に見たのが、

『教授と美女』(1941)

です。
これは、『白雪姫』の大人版、ということでもあるというのですが……


原作は、あのビリー・ワイルダーとトーマス・モンロー。
脚本は、ビリー・ワイルダーとチャールズ・ブラケットという黄金コンビ。
で監督がハワード・ホークスです。

百科事典の編纂にもう9年もかかりきりの8人の教授たち。
(8人とは、
比較的若くてカッコイイ一人、ポッツ(ゲーリー・クーパー)と、
7人の老教授たち、です。)
ポッツは言語学が専門らしく、
俗語の収集に街に出て行き、
そこで、オシェイというダンサーと出会い、
調査に協力して欲しいと頼みます。
彼女は、当初まったく興味を示さなかったのですが、
突然、教授たちが共同で暮らす家に現れます。
彼女のカレシはワルで、
彼女も警察から身を隠す必要があり、
教授を利用する気になったのでした。が、
結局、ポッツも7人の教授たちも彼女が好きになってしまい……
というお話。

7人の老教授たちは、
たしかに7人の小人に似ています。
この、子どもと大人を入れ替えるというアイディアは、
おそらく原作の時点からあったのでしょう。
ポッツが王子様で、
オシェイは白雪姫。
そして、オシェイのワルのカレシとその仲間が、
王妃ということになるのでしょう。
ラストもまた、
『白雪姫』の場合に似ています。

『白雪姫』の換骨奪胎だという時点で、
興味を引かれました。
ホークスは、ストーリーの独自性などには興味がなく、
パターンとしての物語の中に、
新しい要素(新人俳優とか)を投げ込むことが多い、
と言われていますが、
たしかに今回は、そんな感じでした。
110分ほどあるので、
当時としては比較的長めだと思いますが、
飽きるところはなかったです。
ホークスの、職人的な腕が冴えたと言えるのでしょう。