最初に見たのが、
『教授と美女』(1941)
です。
これは、『白雪姫』の大人版、ということでもあるというのですが……
原作は、あのビリー・ワイルダーとトーマス・モンロー。
脚本は、ビリー・ワイルダーとチャールズ・ブラケットという黄金コンビ。
で監督がハワード・ホークスです。
百科事典の編纂にもう9年もかかりきりの8人の教授たち。
(8人とは、
比較的若くてカッコイイ一人、ポッツ(ゲーリー・クーパー)と、
7人の老教授たち、です。)
ポッツは言語学が専門らしく、
俗語の収集に街に出て行き、
そこで、オシェイというダンサーと出会い、
調査に協力して欲しいと頼みます。
彼女は、当初まったく興味を示さなかったのですが、
突然、教授たちが共同で暮らす家に現れます。
彼女のカレシはワルで、
彼女も警察から身を隠す必要があり、
教授を利用する気になったのでした。が、
結局、ポッツも7人の教授たちも彼女が好きになってしまい……
というお話。
7人の老教授たちは、
たしかに7人の小人に似ています。
この、子どもと大人を入れ替えるというアイディアは、
おそらく原作の時点からあったのでしょう。
ポッツが王子様で、
オシェイは白雪姫。
そして、オシェイのワルのカレシとその仲間が、
王妃ということになるのでしょう。
ラストもまた、
『白雪姫』の場合に似ています。
『白雪姫』の換骨奪胎だという時点で、
興味を引かれました。
ホークスは、ストーリーの独自性などには興味がなく、
パターンとしての物語の中に、
新しい要素(新人俳優とか)を投げ込むことが多い、
と言われていますが、
たしかに今回は、そんな感じでした。
110分ほどあるので、
当時としては比較的長めだと思いますが、
飽きるところはなかったです。
ホークスの、職人的な腕が冴えたと言えるのでしょう。