2022年4月27日水曜日

『我が輩はカモである』

マルクス兄弟の映画は、
かなり昔ですが、
けっこうたくさん見ました。
で、院のゼミの2本目は、

『吾輩はカモである』(1933)

です。


2つの国があり、
その一方の首相にグルーチョが就任し、
まあいつも通りの破壊的な言動を繰り出せば、
そこにもう一方の国から、スパイ二人(チコとハーポ)が送り込まれます。
グルーチョの弱みを探り、
その国を乗っ取ろうというわけです。
ところが!
グルーチョはこのスパイたちを気に入り、
要職に就けると言い出します。
で、結局……
2つの国は戦争(!)を始めるのでした。

1933といえば、
もうナチが台頭し始めている時期で、
この映画には、
開戦に向かう無駄にマッチョな体質を、
これでもかとおちょくっています。
ただ、それに限らず、
とにかく手当たり次第破壊するので、
もう、国歌の話しなのに、
全体の雰囲気はかなりアナーキーです。
いわゆる「人情」のほうに逃げずに、
ここまで破壊的なのは、
さすがと言うべきなのでしょう。