ちゃんと書いてなかったのを思い出しました。
約20年前に発表され、
去年、その翻訳の文庫版が出たのが、
『ホワイト・ティース』(ゼイディー・スミス)
です。
もう、今まで読んだすべての小説の中でも、
one of the best !
でした。
こういう「ふざけた」小説、大好きです。
主な舞台はロンドンなんですが、
インドやジャマイカも出てくるし、
時代もまた、複数登場します。
中心にいるのは2つのカップルで、
一方は二人ともベンガル系、
もう一方は白人男性と、ジャマイカ系の黒人女性です。
このカップルの男性同士が、
ごく若かった頃WWⅡを一緒に戦い、
後年、ロンドンで付き合いを復活させるのです。
そしてそれぞれのカップルには子どももできます。
多民族で多宗教で多文化で、
ロンドンがきわめて魅力的な土地として描かれますが、
この小説の醍醐味は、
なんといってもその「ふざけた」感じ。
必死さから来る滑稽さ、というか。
また、イギリスもインドもさまざまな神々も揶揄の対象となりますが、
一方で、移民たち自身のあり方も、笑いのめされます。
(作家は、ジャマイカ系イギリス人です。)
上・下巻でかなり長いですが、
おもしろくてたまりませんでした。
出てから20年も知らなかったなんて……
だから、文庫にしてくれて、
ほんとによかったです!
(英語版も読んでみたいけど、時間がなあ……)