2022年4月22日金曜日

『赤ちゃん教育』

ハワード・ホークス第3弾、

『赤ちゃん教育』(1938)

を見てみました。
主演は、キャサリン・ヘプバーンと、
ケイリー・グラントです。


恐竜を専門とする学者(グラント)と、
富豪の叔母を持つ気ままな女性(ヘプバーン)との、
ドタバタ恋愛劇、というところでしょうか。
世に言う、スクリューボール・コメディーです。
そして原題は、

Bringing Up Baby

なんですが、ここで言う Baby は、
ヒロインの叔母がプレゼントされた豹(!)の子どものことです。
ただ子の豹が、あやまってヒロインの元に送られて、
しかも豹が逃げ出してしまったため、
大きな騒動に発展していくわけです。
人間の「赤ちゃん」は出てきません。

『教授と美女』も、
『ヒット・パレード』も、
今回の『赤ちゃん教育』も、
たしかに同じ肌触りがあります。
見ていて、軽快で楽しいのです。
そこにいわゆる「深み」はないし、
たとえば『赤ちゃん教育』について言えば、
富豪の娘と学者の「恋」であり、
そこに「社会」に対する視線は感じられません。
感じられませんが、
ハワード・ホークスはそれを目指してはいなかっただろうし、
映画自体はおもしろいのです。
どう評価しようかな、
という感じです。

とても雑な言い方ですが、
彼はいわば、直木賞を取るようなタイプなのでしょう。
でも直木賞なら、
何度も取りそうな感じがします。
(実際の直木賞は、一度だけですけど。)

ちなみに、
AFI が1999に発表した「アメリカ人俳優ランキング」では、
キャサリン・ヘプバーンが女優の1位、
ケイリー・グラントが男優の2位になっています。