2021年8月28日土曜日

『ケルベロス 紅の狼』

というわけで、
昨日はブラジル映画、

『ケルベロス 紅の狼』(2020)

を見たんですが、
これはまあ、言ってしまえば、
ブラジル版必殺仕置き人、
というところでしょう。


警察の特殊部隊の一員、
サッカー会場周辺の人混みの中で、
彼の幼い娘が撃たれてしまいます。
病院に担ぎ込んだものの、
治療はしてもらえない、
というのは、政界上層部が、
医療費を食い物にして私腹を肥やしているため、
医療はすでに崩壊しているから。
ブラジル国民は、みなこのことに怒っていて……

B級映画ですが、
政界の腐敗に対しての怒りが日常化し、
それが、どこかに出口を求めている、
というブラジルの現状があるのは確かなのでしょう。
「仕置き」だけでは解決できませんが、
せめて、というところでしょうか。

映画作りとして言えば、
劇中で幼い少女を殺すことは、
アメリカ映画では基本しないのでしょう。
(出てきたばかりで、
観客が感情移入する間もない状況なら、
あり得るでしょうが。)
ブラジル映画には、
そんな文法はないわけですね。