昨日はブラジル映画、
『ケルベロス 紅の狼』(2020)
を見たんですが、
これはまあ、言ってしまえば、
ブラジル版必殺仕置き人、
というところでしょう。
警察の特殊部隊の一員、
サッカー会場周辺の人混みの中で、
彼の幼い娘が撃たれてしまいます。
病院に担ぎ込んだものの、
治療はしてもらえない、
というのは、政界上層部が、
医療費を食い物にして私腹を肥やしているため、
医療はすでに崩壊しているから。
ブラジル国民は、みなこのことに怒っていて……
B級映画ですが、
政界の腐敗に対しての怒りが日常化し、
それが、どこかに出口を求めている、
というブラジルの現状があるのは確かなのでしょう。
「仕置き」だけでは解決できませんが、
せめて、というところでしょうか。
映画作りとして言えば、
劇中で幼い少女を殺すことは、
アメリカ映画では基本しないのでしょう。
(出てきたばかりで、
観客が感情移入する間もない状況なら、
あり得るでしょうが。)
ブラジル映画には、
そんな文法はないわけですね。