2022年1月29日土曜日

『ナディア、バタフライ』


MFFF の4本目、

『ナディア、バタフライ』(2020)

を見てみました。


とてもシンプルなストーリーです。
カナダのオリンピック女性競泳のメンバーであるナディア。
彼女は10歳頃に才能を見出され、
17歳の今、オリンピアンとして東京五輪に臨んでいます。
が、これは彼女の引退試合。
水泳以外何も知らない自分に気づいた彼女は、
医学を学ぶため、
大学に進学することを決めているからです。
ただ、もちろんそこには葛藤もあり……

広く言えば、
将来に迷うワカモノの物語です。
ただそれがオリンピアンであるという点に、
この映画の独自性があるのでしょう。
その迷いの描写も、悪くないと思います。
新鮮か? と問われると、
まあ特別なことはない気もしますが、
好感が持てるのはたしかです。

そしてその好感の核にあるのは、
主演のカトリーヌ・サヴァールでしょう。
わたしは知りませんでしたが、
彼女はリオ五輪のメダリストで、
だから泳ぎの場面とか、
ストレッチの場面とか、
「本物」の雰囲気が漂っています。
速いし。


見終わって思うのは、
監督もまた、
彼女をこそ撮りたかったんだろうな、ということ。
その意味では、
カトリーヌはとてもチャーミングに見えるので、
成功だったと言えるのでしょう。

(ケベックのフランス語です。
人にもよりますが、
全体的に聞き取りにくいです。
中ではかなり聞き取りやすいアナウンサーの場合でも、
「フランスのフランス語」とは、
違う音が混じっています。)