『ナディア、バタフライ』(2020)
を見てみました。
とてもシンプルなストーリーです。
カナダのオリンピック女性競泳のメンバーであるナディア。
彼女は10歳頃に才能を見出され、
17歳の今、オリンピアンとして東京五輪に臨んでいます。
が、これは彼女の引退試合。
水泳以外何も知らない自分に気づいた彼女は、
医学を学ぶため、
大学に進学することを決めているからです。
ただ、もちろんそこには葛藤もあり……
広く言えば、
将来に迷うワカモノの物語です。
ただそれがオリンピアンであるという点に、
この映画の独自性があるのでしょう。
その迷いの描写も、悪くないと思います。
新鮮か? と問われると、
まあ特別なことはない気もしますが、
好感が持てるのはたしかです。
そしてその好感の核にあるのは、
主演のカトリーヌ・サヴァールでしょう。
わたしは知りませんでしたが、
彼女はリオ五輪のメダリストで、
だから泳ぎの場面とか、
ストレッチの場面とか、
「本物」の雰囲気が漂っています。
速いし。
見終わって思うのは、
監督もまた、
彼女をこそ撮りたかったんだろうな、ということ。
その意味では、
カトリーヌはとてもチャーミングに見えるので、
成功だったと言えるのでしょう。
(ケベックのフランス語です。
人にもよりますが、
全体的に聞き取りにくいです。
中ではかなり聞き取りやすいアナウンサーの場合でも、
「フランスのフランス語」とは、
違う音が混じっています。)