2022年1月8日土曜日

『アナ』

ふと目にとまったリュック・ベッソンの監督・製作の映画、

『アナ』(2019)

を見てみました。
完全にエンタメです。


物語の構図は、『ニキータ』にそっくり。
未来が閉ざされたジャンキーの若い女性が、
鍛えられて超有能なスナイパーとなり、
国家の秘密組織のために働くも、
やがて、その仕事を辞める決意をする……
ということです。
まあ、自己模倣と言われても仕方ないところです。

ただ、おもしろくないのか? と言われれば、
それなりにおもしろいのです。
この『アナ』の場合は、
たしかに一ひねりは加わっているし、
ヒロインはカッコイイし、
見ていて退屈はしません。
ただ今回は、
『ニキータ』にはなかった(と記憶しています)、
時間の操作(フラッシュ・バックやフラッシュ・フォワード)が何度もあり、
それでたしかにエンタメ性は高まっているのですが、
その代わり「映画」は壊れていきます。

リュック・ベッソン、と言っても、
今の若い世代にはピンと来ないかもしれません。
が、わたしたちはベッソンたち、
つまりいわゆる「BBC」とは同世代で、
彼が関わった主要作品はずっと見てきました。
個人的に印象深いのは、まず『ニキータ』(1990)。
これは何度か、シナリオの一部を授業で使いました。
(アンヌ・パリローについては、
『ギャングスター』も記憶に残っています。
『チャオ・パンタン』のリシャール・アンコニナが主演でした。)
それから『ヤマカシ』と『タクシー2』。
これらは、授業の息抜き(?)で見せたことがあります。
(そう、以前は、年に1,2本、授業で映画を見せる余裕がありました。
なぜ今はないんでしょう……?)
特に『タクシー2』は、
主役のサミー・ナセリがベルベル系アルジェリア人(kabyle)で、
その彼の恋人が、
アルジェリア戦争を戦った軍人の娘であるという、
なかなかあざとい設定が好きでした。
ちなみに、彼も彼の兄であるビビ・ナセリも、
眼はきれいなブルーです。

そろそろ授業開始が近づいてきました。
そろそろレポート読み始めないと!