今日はアマプラで、
『薬の神じゃない』(2020)
を見てみました。
舞台は上海。
インドから密輸した強壮剤を売る、
ほとんど「チンピラ」に近い男、チョン・ヨン。
金が底をつき追い詰められた彼は、
白血病の薬をインドから密輸する話を持ちかけられます。
というのも、
中国国内で唯一認可されている、ただし効果は同じであるドイツ製の薬は、
異常に値段が高く、
(インドの卸値の80倍。インドの小売値の20倍。)
庶民はとても買い続けることができないという事情があるからです。
実際、この話を持ちかけた男もまた、
白血病患者でした。
チョン・ヨンは引き受けます。
で、金は入るし、感謝はされるしというわけで、
次第に仲間を増やし、チームとなり、
この仕事を安定させていきます。が、
黙ってないのはドイツの製薬会社です。
警察に働きかけ、
チョン・ヨンたちを追い詰めにかかります……
実話に基づいていて、
結果的に中国の医療体制に影響を与えた事件だといいます。
ただ、そのことは措くとしても、
なかなかいい映画、泣かせる映画でした。
全体の構図がヒューマンで、
特にラストあたりの演出はベタ&やや過剰
(中国政府に気を遣ってる?)
なんですが、
それ以外の部分、
もっと細かな人情の機微みたいなところは、
とてもよかった。
最初の話を持ちかけた患者の奥さんが、
手料理でチョン・ヨンに感謝を表すシークエンスなんて、
単純で素直なだけに、ぐっときました。
そう、
昨日の『僕らの先の道』もそうなんですが、
とても素直で、それがいい感じなのです。
で、
映画が素直なので、
こちらも素直に評価するなら、
トータルとしては、十分おもしろかったです。
中国映画というと、
つい、ジャジャン・クーなど、
評価の高い監督の作品に向かってしまいがちですが、
昨日今日見た2本はどちらもよかったです。
たった2本見ただけですが、
中国映画の印象がよくなりました!