2022年1月6日木曜日

『僕らの先にある道』

総合文化ゼミナールの「ワールド映画」、
あと授業が2回残っていて、
その内1回は、南アフリカ映画
『ツォツィ』
を見る予定です。
で、
最後の1回は、中国映画にするつもりなのですが、
これがいつも迷います。
まず、中国の近代史がある程度頭に入るものがいいのか、
それとも、
今の中国の雰囲気を伝えるものがいいのか。
もちろん両方いっぺんに伝えてくれる映画があればいいですが、
なかなかそうもいきません。
前者だと、『活きる』が1番学習効果がありそうで、
『妻への旅路』とか、
『初恋のきた道』なんかも使ったことがあります。
そして後者は、
『至福の時』
を使ったこともありますが、
これは、常に更新しておきたいところ。
というわけで今日見たのが、

『僕らの先にある道』(2018)

です。


予告編を見て惹かれて見始めたのですが……

遥江出身で、北京の大学に通うジエンチンは、
友人たちと列車で北京に向かう途中、
同郷の少女、シャオシャオと出会います。
彼女は、高卒後、
自由と独立を求めて北京に出て、
もう4年目です。
二人は次第に近づくものの、
北京の戸籍と安定した生活が欲しいシャオシャオは、
冴えない公務員と付き合ったりします。が、
結局上手くいかず……
そしてやがて、二人は一緒に住むようになり……
というお話です。
ただし、映画の開始からそう時間が経っていない時点で、
実は、この二人が、
出会いから数年後に別れてしまっていることが分かります。
なので、
これはまぎれもなく恋愛映画なんですが、
やがて別れることを観客は知っているので、
なかなか切ない感じになっていきます。
そして……
ああ、これなら、
若い世代の様子も分かるし、
地方と北京の関係もある程度分かるし、
映像もキレイだし、
なかなかいいなあ、
なんて思いながら見ていたんですが、
だんだん物語世界に引き込まれ……

この映画、
とても繊細で、ラスト近くは、
涙なしに見るのは誰にとってもムリ、だと思いました。
DVDも発売されておらず、
ネトフリでしたか見られないんですが、
かなりよかったです。
また、ジエンチンを演じたジン・ポーランは、

『ラヴ O2O』(2016)

の時より、ずっとよかったです。