2010年3月31日水曜日

ややこしや~


というわけで、東京はまたもパッとしない天気でした。が、明日はあったかいらしいですね。

で今日は第3回でしたが、早くもやや

http://www.youtube.com/watch?v=YL9F0YCEOaQ

な感じですね? でもね、それは大丈夫です。今週は、とりあえずメニューを順に見ている感じ。これからスキットをやる中で、少しずつ定着させればいいわけです。ゆっくりまいりましょう!

で「ややこしや」ですが、思い出されるのはある収録の日のことです。「ややこしや」が収められたCDを、NHKのアーカイブから借り出してもらって、まずそれをみんなで聞きました。

「んん…… 『ややこしや』っていうセリフ、何回も出てきますねえ」
「ちょっとずつ違いますよね、子供がはいったり」
「どの『ややこしや』使いましょうか?」
「う~ん……」
「じゃもう1回聞きますか?」

というわけで、ケンちゃんとナオコさん、そしてレナさん、わたしで、もう1度じっくり「ややこしや」を聞いて…… 今日お聞きいただいた箇所に決定したのでした!

でもやっぱり、ここはややこしやだなあ、と思っている時に、あんな風にビシッと言ってもらえると、ある種のカタルシスがありますね。

そうそう、今夜は12時から、テレビのフランス語講座も始まります。ケンちゃんや、前回からの仲間であるユキさんなどが、精魂こめて作ったものだと聞いています。期待しましょう!

それから明日は、はじめて「今週の1曲」があります。こちらもいい曲です。ご期待ください。(練習問題も、お願いしますね!!)

2010年3月30日火曜日

味がない!?


というわけで、今日は第2回でした。新人のみなさんは、口がお疲れになりましたか? ほんとに? だとしたら、ちゃんと練習なさった証拠ですね

さて、今日のオープニングで、きしめんだうどんだそばだおかわりだ、という話で盛り上がってました(?)が、どうも聞くところによると、フランスの方々は一般にうどんが苦手なようです。そしてその理由は……

「味ないじゃん!」

もちろん、そんなことはないですね。讃岐も稲庭も、わたしは好きです。(どちらかいうと稲庭派。)でも、どうもフランスの方々には、そのへんが分かりづらいようです。

(レナさんはちがいます。彼女はうどん好き。そういえば、以前新宿で、雑誌「ふらんす」のアミさんや、当時7色の髪をなびかせていた(マジで)タケちゃん、そしてレナさんとわたしで、うどんすきを食べたこともあります。そう、あの「美々卯」です。また行こうね~)

ちなみにわたしは、本当は、そば派です。というか、ざるそば派。といっても、子供のころからさんざんざるそばが食卓に上った、というだけのことですけど。

書いていたら、なんだかうどんでもそばでも食べたくなってきました! どうしよう……

2010年3月29日月曜日

スタート!


Bonsoir !

さて、ついに第1回が放送されました。フランス語と初めて接した方もいらっしゃるでしょう。どうぞ半年間、気楽にお付き合いください。

そうそう、レナさん苦心の練習問題がついていますので、これは木曜日の放送までにやっておいていただけると、とても効果的です。というのも木曜日に、音読練習を兼ねた答え合わせがあるからです! でもこの練習問題、きっと楽しんでいただけると思います。

今朝はやはりわたしも、7:30 から聞きました。そしてたまたまクルマで走っている時間だったので、午後の再放送もちょっと聞きました。

今日のルソンの中に、「と~~っても大事な3ルール」がありますが、これはね、ほんとに大事。明日の練習でも、さっそくこれを踏まえることになりますので、心の準備を!

             ◇

そして今日29日は、「現代詩手帖」4月号の発売日でもありました。

http://www.shichosha.co.jp/gendaishitecho/

わたしは、「アカシヤの大連で餃子を」の第3回です。全5回の予定なので、これで半分を越えたことになります。ちなみに思潮社のHPって、ついこの前できたばっかりなんですよね。なかなかきれいです。

そういえばついさっき、なんというか、わたしにとっては光栄な仕事が1つ入りました。締め切りは4月末。これははっきりしたら、またご報告しますね。

A demain !

2010年3月28日日曜日

See you tomorrow !


というわけで、去年の夏前から少しずつ準備してきた「ナミの恋する東京日記」、いよいよ明日第1回目の放送です。

といってもまったく静かなもので、今日は、なんだか冬に逆戻りしたような空のもと、ほんとにありふれたなんでもない一日でした。でも、外に出なかった分、仕事はわりと捗った気がします。こういう日が2週間くらい続くと、そこそこ進むんですけどねえ。4月1日には、早くも大学業務が待ち構えているし……(ってそれが仕事でしょ!)

そういえば、わたしは出席しませんでしたが、一昨日明治大学も武道館で卒業式でした。出席した先生の話によると、卒業生たちは元気で頼もしかった、ということです。陰ながら、新しい出発を応援しています!

そして来週は、新入生ガイダンスで、5分間だけある科目の説明をすることになっているのですが、なんだか不思議な感じです。なにしろ新入生は1000人いて、しかも彼らの誰一人、わたしがここでこんなことを書いているのを知らないんですから。予定された偶然? 

でもそれを言うなら、明日の放送を聞いてくださる方の数は、もしかしたらその100倍くらいはいらっしゃるかもしれないので、むしろそちらのほうが不思議といえるかもしれませんね。

テキストでこのブログを知り、ちょっと見ていただいた方をはじめ、時々のぞいてくださっているみなさまも、お越しくださってありがとうございます! 明日から、長丁場の96回、どうぞよろしくお願いします!(ま、もちろんまだ全部はできてないんですけどね!)

2010年3月27日土曜日

3本


このところ、「準新作」的なアメリカ映画を何本か見ました。借りたいのが貸し出し中、ということもあったんですけどね。

それにしても、なかなかわくわくドキドキできないのは、作品のせいなのか、はたまたこちらの歳のせいなのか(涙)、という感じです。

中でも大きく首をひねってしまったのが、「ノウイング」。50年間のタイム・カプセルから出てきた紙に、この間の災害の日時や場所が記されていた、しかもあと3つはこれからだ…… という、ちょっと期待させる出だしだったのですが…… (ここからこの段落ネタバレあり)なんと、そうした予言能力を特定の人間に付与していたのは、宇宙人だった! しかもその予言に、意味があるのかないのか……

ニコラス・ケイジは、「リービング・ラスベガス」でのアル中役の雰囲気が好きで、ずっと贔屓にしていたのですが、最近は、ちょっと低調、かな? それに今回は、MITの教員という役どころなのですが、その授業内容が…… MITがあんなレベルのはずないと思います。わたしが見た中では、「アイ・アム・レジェンド」以来のハズレでした。

「ワールド・オブ・ライズ」は、ディカプリオとラッセル・クロウ。2人はCIAで、舞台がヨルダン、シリアなど中近東。ストーリーはともかく、ディカプリオはちょっといい感じ。「タイタニック」の頃より、わたしは好きです。(ハイチに100万ドル寄付したのも好印象。)また、どこまで信じていいのか分からないけれど、中東での、白人に対する視線に興味をそそられました。

そして妙に納得してしまったのは、「知りすぎた」アラブ人言語学者が、自爆テロを命じられた時、自分は死にたくないと「アメリカ」に接近するところ。中東、といっても、もちろん、色んな人がいるわけですね。

「レディー・キラー」はコーエン兄弟。舞台はミシシッピー。ある黒人夫人の家に、ニセ教授(トム・ハンクス)が間借りし、そこから仲間とトンネルを掘ります、カジノの金庫目指して! しかし、この老夫人がなかなかの曲者で…… 「オー・ブラザー」ほどシュールではなく、「ファーゴ」ほど緊張感もありませんが、まあコーエン兄弟ですからね、彼ららしい雰囲気は味わえました。

              ◇

今日が土曜日だから…… 明後日には放送開始です。ちょっと緊張してきました!(収録済みなのにねえ。)

2010年3月26日金曜日

アメリ・2?


「アメリ」という映画がありましたね。映像は、ちょっとあざとい気もするけどそれなりにきれいで、学生に見せると、やはりそれなりに好評を得るようです。

主演のAydrey Tautou は、Coco Chanel などを演じた後、最近は舞台に出ているようです。作品は『人形の家』。もちろん彼女はノラ役(画像)です。写真で見る限り、だいぶ人形っぽいです。

で、それについてのインタヴュー(Paris Match)を読んでいたら、こんなやりとりがありました。

P.M:もし、「アメリ・2」のオファーがあったら、受けますか?
A.T.:いいえ、2度とやるつもりはありません。ていうのも、わたし彼女が好きなわけじゃないんです。そうじゃなくて、愛してるんです。それに、「アメリ」以上の演技なんて、できそうもないし。でもしそうだとしたら、わざわざ質を落とすためにやることないでしょ。

だそうです。ただ……

知り合いの女性(フランス語教員。わたしと同世代)は、「アメリ」を見た後、なんて意地悪な女の子でしょ! と言ってました。言われてみると……?

2010年3月25日木曜日

fleurs



今日は、「辻征夫を偲ぶ会」があるそうです。辻の「花」の詩。部分的にですが読んで、ここから偲ぶことにしましょう。

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わたしは沈丁花が
咲いているのをみつける
あの数秒の
時間が好きです。

わたしはうつむいて
今日いちにちはどんな風になるのだろう
きのうのわたしのらんぼうな 言葉は
きのうのちいさな雲のように
もうあのひとの
ぼんやりとした
こころの空からきえたかしら

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もう1つ。

*************************************


ぼくは窓の手摺にあごをのせ
あの夾竹桃をまばたきしないで何分間
みつめていられるかなんてそんなこと
毎日はやらなかったが十回はやっただろうか
さびしいときにはそうするんだと
先生がおしえてくれたのだ

先生というのは死んだぼくの友だちで
ぼくはかれとは十年前に酒場で
喧嘩してわかれた

ぼくはいつまでも先生のことを思うと
あのうしろ姿はあのままだれにも
呼びかえされぬままに日々に遠ざかり
豆粒になり
はるか
かなたでふっと
はじけてしまったのだと思えてくる

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R.I.P.,encore.

2010年3月23日火曜日

ふらんす・4月号


日本で多分唯一のフランス語圏情報誌、雑誌「ふらんす」の4月号が、25日(木曜日)に発売になります。

4月号は、特別定価1000円ですが、これはCDつき。で、このCDは1年間活用できるので、むしろお買い得かもしれません。内容的にも、これから勉強しようという人たち向けの、ほんとにいろんな情報が満載です。

たとえばフランスの美術。先日ここでもちょっと触れた、イジスの写真展、ものすごい行列だそうです。またノンフィクション部門では、かつての名選手リリアン・テュラムのMes étoiles noirs が今月の第4位。「自身のルーツを黒人の歴史と共に辿る」という内容だそう……

もちろん、いろいろなレベルに対応したフランス語オベンキョー・コーナーも充実。そして個人的に楽しみなのは、今回から連載が始まった「永遠の天国 ニューカレドニア」です。書いているのは、何の気なしに通りかかり、そのまま26年(!)たったという女性です。楽しみです!

(そうそう、わたしもちょっとだけ書いています。「ナミの恋する東京日記」の紹介です。)

そして今年度の表紙は「パリ歳時記」がテーマだそうです。今回は赤い縁取りがなかなか粋です。

で、もう1つ楽しみなのが「編集後記」。この(ア)とは、舞台狭しとシャウトするといわれる歌姫アミさんです。雑誌全体から、アミさんの生きの良さが伝わってきます。とりあえず、立ち読みからでも!

https://www.hakusuisha.co.jp/france/

2010年3月21日日曜日

Dobet Gnahoré en concert !



行ってきました、ジュルネ・ドゥ・ラ・フランコフォニー!

日仏学院に到着したのは午後3時ごろ。でとりあえず、中庭でタヒチアン・ダンスを眺めながらジュースを一杯。それから室内に移動して、映画と講演会です。


映画は、ハイチ系カナダ人作家(と書きましたが、彼自身は、なぜただ「作家」といってくれないのか、と言ってますが)ダニー・ラファリエールの記録短編映画です。もっと固いものかと思っていたのですが、なかなかユーモアのある、しゃれた感じのドキュメンタリーでした。ラファリエールは、なぜか邦訳がありませんが、カナダでは間違いなく人気作家です。

それに続いては、あのレジス・ドゥブレの講演会。(邦訳は、「ドブレ」と表記されているものが主流です。)色々示唆に富む発言がありましたが、これはねえ、と思ったのは、たとえばハイチ支援の一環として、ハイチにある大学の医学部を援助する、という場合です。


これ自体は、一見なんの問題もないように見えますね。けれども、そうした医学部を出た優秀な頭脳の多くは、アメリカやフランスに渡ってしまう。今NYにいる、あるいはモントリオールにいるハイチ系の医師は、ハイチ本国の医師の数より多いのだそうです。でも給料が、場合によっては50倍もちがうとなると……

こうした場合、ハイチの大学を援助することは、一体だれの利益になっているのかと、考えてしまうというわけです。考える必要のあることですね。

ところでこの会場で、マルチニックにいるはずの中村さんと会ったのにはびっくり。先日ここでも、彼のブログをご紹介しましたね。お元気そうで、なによりでした。

でそのあとは、ついにドベ・ニャオレのコンサートです。これはもう、素晴らしかった! 彼女の歌は、クルマでも部屋でも繰り返し聴いているんですが、やっぱり生の歌声は格別。そして彼女のダンス! わたしの眼には、とてもとても新鮮なダンスで、その発散しているエネルギーに打たれました。

そしてまた、彼女そ含めたバンドの4人が、とてもいい感じで微笑み合っているのが、印象的でした。いいですね、ああいう雰囲気は。

しかも最後には、まだ日本未発売のCD販売&サイン会があり、ミーハーなわたしは写真も一緒に撮ってもらいました!(ラッキー!)

そしてコンサート後には、尊敬する翻訳家のくぼたのぞみさんとも初めてお話ができ、とても嬉しく思いました。

http://esperanzasroom.blogspot.com/

くぼたさんのブログには、かつて(というか今も読めます)ボードレールと彼の恋人ジャンヌ・デュヴァルの関係にスポットをあてた連載があり、何度も膝を打った記憶があります。かの、エムリン・ミッシェルのこともでてきたり。

というわけで、ちょっと、というかかなり寒かったけれど、は熱い一夜でした!

2010年3月20日土曜日

white haze


きょう、テレビが壊れた。もしかすると昨日かもしれない。いや、そんなことはない。わたしには分かる。

というわけで、去年のスピーカー、今年に入ってのCDプレーヤーに続き、またも電気製品の寿命がきました(涙)。でもねえ、もう完全に寿命と言っていい年月使っています。お疲れ様!

ちょっとびっくりしたのは…… テレビがつかなくなり、何度かスイッチを押していると、突然、テレビの右側から白煙が上がったのです、キュ! という音とともに。

なんでも7月から、アナログ画面に黒いラインが入るとかで、そんな嫌味に屈するものか! と思っていた矢先の出来事でした。そして不可避的に、アナログの隊列を離れることになってしまいました……

で、アナログテレビを使って最後に見たのは、『約束の旅路』という映画です。これは原題は『行け、生きろ、なれ!』で、これはだいぶ違いますね。

主人公の少年は、エチオピアの難民。彼の母は彼に命じます、ユダヤ人と偽って、イスラエルに移住するバスに乗り込みなさいと。そうです、アフリカにおける「黒いユダヤ人」が、この作品のテーマの一つです。

http://video.search.yahoo.co.jp/video/89e282462a6c57fa6d07b532d8cab4b0?p=%E7%B4%84%E6%9D%9F%E3%81%AE%E6%97%85%E8%B7%AF&fr=top_ga1_sa&tt=c&ei=UTF-8&from=srp&rkf=1&r=2

来年度開講予定の「ワールド映画ゼミ」、この映画は、そこで取り上げる作品の強力候補です!

2010年3月19日金曜日

隔週・ウィーン・フィル


昨日は久しぶりに、大学時代の友人2人と会いました。というのも、そのうちの1人が、最近結婚したパートナーを紹介してくれるというからです。(式は挙げなかったのです。)とても素敵な女性で、末長いお幸せをお祈りいたしました。

で、その新婚の友人はわたしと同業者で、もう1人のS君は小学館の編集者です。S君の最近の担当は、隔週で出版され続けているCDマガジン、「ウィーン・フィル」です。

こういう企画の場合、フツーは最初の5号くらいまでが特に大事だと聞いたことがあります。で、そのへんを訊くと;

1:小澤征爾    「新世界」他
2:カラヤン     「白鳥の湖」「くるみ割り人形」他
3:ベーム      「Mozart sym.40」他
4:バーンスタイン 「Beethoven sym.3」他
5:アバド      「Mozart piano concerto 20」他(piano はグルダ)

という感じ。う~ん、わたしは間違いなく「1」=カラヤンだと思ったのですが、今は小澤のほうが訴求力がある、という判断なのでしょうね。

ちょっと意外だったのは、「5」のMozart のピアノ協奏曲です。この20番は、もちろんとてもいい曲だとは思いますが、こんな上のほうにラインナップされる曲だとは思っていませんでした。なにしろ、「運命」より「未完成」より上なんですから!

http://www.youtube.com/watch?v=VtTqpqGIIYU

そしてS 君によると、ベームがなかなかの人気だそうで、もちろんすばらしい指揮者だと思いますが、活躍した時期からずいぶん経つので、これもちょっと意外でした。

そしてたまたま、昨日はこのS君の誕生日だったのですが、新婚のカップルが、気を利かせてクレープ・シュゼット(画像)を頼んでくれました。(バイキングだったので、これは別注文の必要がありました。)そしてこのクレープのおいしいこと! コワントローとブランデーとオレンジが溶けあって、まさに絶妙の味。添えてあるアイスクリームとの相性も抜群で、これは唸ってしまいました。

では、bon week-end !(日曜には日仏でフランコフォニーです。外なので、ちょっと天気が心配……)

2010年3月18日木曜日

Enfin !


本日発売です! 今回は、連載読み物も担当させてもらっています。楽しんでいただければいいんですけど!(よろしければ、CD もよろしく!)

2010年3月17日水曜日

❤ にビビッと


ずいぶん春めいてきましたね。なんだか、大学関係のことがやっと一段落し、でもふとカレンダーを見ると、なんとあと2週間で4月! 驚いちゃいますね~

前回の「まいにちフランス語」をまとめた本、「ハートにビビッとフランス語」が、重版になりました。(パチパチパチ!)多少ともお役に立てていただけたようで、レナさんともども、とても嬉しく思っています。みなさま、どうもありがとうございました!

昨日電話で話したレナさんは、「これでやっと誤植が直せる!」と喜んでいました。これはね、ほんとに何回も見てるのですが、初版で完璧には、どうしてもならないんですよねえ。(ってほんとはそれじゃダメなんですけど!)

Merci encore !

2010年3月14日日曜日

できました!


この週末、ついに! 4月号のテキストとCD が完成しました!(パチパチパチ!)これはもちろん、アキ子さんやマユミさんやナオコさんをはじめ、多くの方々の力の結集のフルーツです。この成果にわたしも参加できて、とても嬉しく思っています。発売は今週の木曜ですね。どうぞご期待ください!

2010年3月13日土曜日

Dieux oubliés


先日のイベントで伺った、林巧さんのお話の中には、とても印象的なものがありました。

「かつて始まった自分の旅は、未だ終わっていないのだ」というフレームの中に、さまざまなことがらが浮かび上がってきます。それは食の記憶だったり、水の物語だったりするわけですが、なんといっても「おばけ」と林さんとの交感には、余人を寄せ付けないところがあります。

一般に日本では、「おばけ」は恐れられる対象なのでしょう。が、人のいるところには「おばけ」もいるのだ、という感じ方をする中国などでは、「おばけ」の位置もおのずから違ってくるそうです。それはそうでしょうねえ。

「でもね、こわがる必要なんてないんですよ。ぼくらは生きていて、生きている人間のほうが彼らよりずっと強いんですから」

ああ、そうなのか。でもなぜ、彼らは出てくる?

「それはね、さびしいからですよ。それに出る相手っていうのは……」

なにも恨みを抱く相手ばかりではなく、たとえば池田弥三郎の『日本の幽霊』(画像)によれば、自分をいじめた相手には恐ろしくて出られない「おばけ」もいるそうなのです。ああ、心やさしい彼ら!

そして細かいことでいえば、あの「一反木綿」は、実は「布」ではなくて…… 

「バリの葬列では、あの『一反木綿』をず~~っと長くしたようなものを、親類縁者がみんなで運んで行くんです。あれはね、布じゃなくて、魂なんです……」

おお、そうだったんですか! 通りでゆらゆらしてたわけだ。

「ただね、首に巻きついたりもして、怖いところもあるんですけどね」

で、ずばり「妖怪」とは?

「忘れられた神です。かつて敬われた神々が、忘れられ、姿を変えて、妖怪になっているんです」

忘れられた神! そうかあ!

わたしたちは冗談に、「出たな妖怪!」なんてよく言います(?)が、こんなことを教えてもらうと、こんなつまらないセリフにも、急に陰影が生まれてきます。

とてもおもしろいお話でした!

2010年3月12日金曜日

露骨な国々


ある新聞記事によると、チリでの地震などもあり、もうハイチでの震災は忘れかけられているということです。

どうなんでしょう? 少なくともわたしは忘れていません。で、もう2カ月近く前の記事ですが、こんなのがありました。要は、ハイチの再植民地化を目指して、アメリカとフランスが争っているという内容です;

http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&task=view&id=10624&Itemid=55

この記事を読んだときは、またか、という気持ちと、ほんとうに? という気持ちがありましたが、その後の動きを見ていると、この記事は核心を突いているように思います。この2つの記事;

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2697211/5351710

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2691639/5286321

それぞれ単独で見るとやや違和感を感じる程度ですが、これらを前述の文脈で見ると、なかなか露骨です。

遠い将来、地上から「大国」は消えて、「世界市民」と「都市国家」が残るのだ、という予言もあるようですが……

2010年3月10日水曜日

盛りだくさん!


昨日3月9日は、色々盛りだくさんな日でした。

まずは朝、今週の収録のため渋谷へ。で、いつもの打ち合わせ中にアキ子さんから連絡があり、懸案だったEmeline Michel の著作権の問題がクリアーできそうなことが判明! よかったよかった。というわけで、予定していた「さしかえ」の収録はしなくていいことに。ま、どちらにしても、この(「さしかえ」ように準備した)曲も、いずれはは登場してもらいますけど。

で、実は今日は、ナオコさんのOO回目の誕生日。Mes Félicitations !  というわけで、ケンちゃんのイキな計らいで、1F 食堂でプチお祝い会 Be ever wonderful in your own sweet way!

(そして食堂には、膝までの和服をきた「大五郎」のような子供たち、そして帯刀したちょんまげの野武士たちがわらわらと。なんだかタイムスリップしたみたい。で、レナさんがわたしに訊きます、「あの人たち、サムライ?」 んん、多分!)

で午後にも予定通り収録を続行していると、今度はマユミさんが到着し、ナオコさんにお花を。麗しい光景です!

4時過ぎには今日の収録を終え、冷たい雨の中の中を渋谷駅に向かい、わたしはここから東京駅で開催中の「地球に生きる女性たち ー ティトゥアン・ラマズー展」へ。

http://www.gyokochika.com/event/event.html

ここに写真が何枚か;

http://www.geo.fr/photos/reportages-geo/femmes-du-monde-de-titouan-lamazou

このLamazou というモロッコ生まれの写真家は、ヨットで世界を回り、各地の女性たちを撮り続けてきた人です、ダルフールの難民から、北京の少女ロックバンドまで。で彼は、絵も描きます。

http://ja-jp.facebook.com/group.php?v=photos&gid=190324415499

この展覧はレナさんに教えられたのですが、無料なので、東京駅近くをお通りになったときは、ぜひ。なかなか見ごたえがあります。

それから新丸ビル地下で、桜エビと春菊のお茶漬け(750円。うまし)を食べ、ついに本日のメイン・イベント、青山ブック・センターでのトークイベントのため六本木に向かいます。

そして六本木で外に出ると、雨は雪に変わっていました。足早に会場へ。ところが……

な~んか様子が変。イベント自体はありそうなのに、何かが…… で、恐る恐る確認すると、

「管啓次郎さんと林巧さんのイベント? ああ、それはここじゃなくて、青山の本店ですよ」

! やっちゃいました。わたしはなぜか、ABCと聞いたとたんに六本木店だと思い込み、よく確かめもしなかったのでした。バカですね~ で降りしきる雪の中、今度は青山店に急ぎます。

でなんとか、10分遅れくらいで到着。みんな、いい感じで集中して聞いています。で、その様子はこちら;

http://monpaysnatal.blogspot.com/

わたしから言えることといえば、とにかく、『斜線の旅』は刺激的であること。高い凝集度の文体で、無論そういうものとして成立しているわけです。が、別の角度から言えば、これは管さんの「旅の土産話」だと言えなくもないわけです。読者としては、そういう気持ちの開き方で向き合うと、すっと色々なことがらや見方や感じ方が入ってきて、それが刺激的な経験になるわけです。ぜひ!

で林さんのほうも、実にたくさんの著作があるのですが、今回のイベントに関連するのは;

http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2645084

そして林さんは「おばけ」の専門家(?)でもいらして……(to be continued !)

2010年3月8日月曜日

Nubie


すごく唐突ですが、ちょっと「ヌビア」のことを調べてみました。

ヌビアというのは、今のエジプトとスーダンの国境辺りの地域のことで、「ヌビア遺跡」は世界遺産なので、この名前を耳にした方もいらっしゃるでしょう。大昔、世界史の授業でもちらっと出てきた、かな?

なぜヌビアを調べる気になったのかと言えば、それは Les Nubians という姉妹デュオがきっかけでした。彼女らはパリで生まれ、父はフランス人、母はカメルーン人。子ども時代はチャドで過ごし、そのあと内戦を逃れてボルドーへ。そしてやがて Les Nubians としてデビューした、というキャリアです。

つまり、彼女らは全然「ヌビア人」ではないのに、なぜかそういうコンビ名なわけです。なぜかなあ? と思いますよね、それは。

結果:よく分からない! でも、少しわかったことは……

「アフリカ」という語の語源については諸説あり、今は「ローマ人がそう名付けた」という説が有力なようです。(ただしそれは、北アフリカのテュニジアあたりを指していたようですが。)で、もしそうだと仮定すれば、「ヌビア」という語は、もちろん「アフリカ」より古いことになります。あえて深読みすれば、「アフリカ」よりさらにアフリカ……

ヌビアは、それにしても、延々と迫害され続けた土地のようです。まずはエジプト人から再三攻め込まれ、その後はローマ人が、キリスト教者が、イスラム教者が、次々に襲いかかりました。そしてこの全期間を通して、ヌビア人は奴隷として連れ去られたそうです、19世紀まで!

またある記述によると、今のエジプトやスーダンでは、ヌビア人=歌や踊りがうまい、というイメージもあるといいます。(真偽のほどはわかりませんが。)

もし、70年代生まれのR&B 姉妹デュオが、こうした文脈で自分たちのコンビ名を決めたのだとしたら…… まあ、そんな風に想像しながら、彼女らの曲を聞いたりしています。たとえばこんな歌;

http://www.youtube.com/watch?v=22HL5ZOOHGI

2010年3月7日日曜日

著作権


東京は、気温が上がったり下がったりですが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか? こちらは元気です、が……

なんだか、「まいにちフランス語」の仕事がヒマラヤのようにあり、もちろん土日など全然関係なく、地道にもろもろ進めています。中で気にかかっているのは、ここ数日で2件持ちあがってきた著作権の問題です。

これはほんとに門外漢なので、ただ成り行きを見守っているだけなのですが、複雑です。どの権利を誰が持っているのか、それがはっきりしていなかったり、もう1人のほうは、全然連絡が取れない状態のようです。でその1人とは、あのエムリン・ミッシェルです。

彼女のHPは突然閉鎖されているし、その所在も事務所の場所もはっきりしないようです。「ハイチは今ねえ……」と、アキ子さんなどからは言われます。たしかにね、ハイチに事務所があったなら、今は厳しいかもしれません。でも本人は、たしかパリにいるってどこかで読んだ気もするのですが…… でも今は本人より、事務所ですね。

ただ中には、メッセージ付きの返事をくれる歌手もいて、そういうときは、彼女の気持ちをラジオで伝えなくちゃ、という気持ちになります。

こうしたことに関しても、ケンちゃんやアキ子さんが快く奮闘してくれています。ほんとにかたじけない! どうぞよろしくお願いします。

では今週も、はりきっていきましょう!

2010年3月5日金曜日

ヴォツェック


今夜10:30 から、3チャンネルで、「ヴォツェック」が放映されます。これは、昨秋の新国立での公演で、ぜひ行きたかったのに果たせなかった演目です。

先日、この公演を見たというNHKのケンちゃんにその様子を訊いていたところ、その日の担当だった技術の方が、あ、それわたし、中継に行きましたよ、と言うのでした。ただその場合は、ナマで見るのではなく、会場まで言った上で、中継車の中で見るのだそうですが。

というわけで、それが放映されるのをじっと待っていたのでした。やっと見られます!(ま、少なくとも、たまった原稿が書き終われば!)

2010年3月3日水曜日

ガールズ・トーク


今朝は目覚めた時、あ、のどが痛いかも! と思って焦りましたが、無事1日の収録を終えることができました。(わたしたちのような素人でも、やっぱりそのくらいは気になるんです。というか、ほんとに声がでなかったら、みんなに迷惑かけちゃうし。)

いつも、実際に収録を始める前には、30~40分打ち合わせをします。で今日もまた、その時のケンちゃんやナオコさんの意見により、番組内容がシャープになりました。できあがった番組は、ナオコさんがきれいに鉋(かんな)をかけてくれているので、そのへんのことは見えなくなっていますが、やっぱりこうした番組も、チーム・ワークが1番大事ですね。大学でもNHKでも、なぜかわたしは仲間に恵まれています!(ま、ほかには恵まれてないことも多々あります……ってほっといて!)

仲間といえば、今日は久しぶりに、前回一緒に番組を作ったシゲピョンが、スタジオに顔を出してくれました、しかもおいしいおやつを持って! 今日は午後が長めの収録だったので、とてもグッドタイミングの和菓子セットでした。Merci beaucoup ! 

そしてその甘い匂いにつられたのか、CD担当のマユミさんも、テキスト編集のアキ子さんも大集合。おかげでスタジオ内は大混雑!(やや誇張あり)

で、レナさんも含めて女性陣の話題は、今日お雛様に。今日中にしまわないと、婚期が遅れる! というわけです。

まあね、もちろん誰も本気で言っているわけではないのはよく分かっていますが、バリバリ働く若くて優秀な女性たちが、そういう古風な(?)話題で盛り上がってるのって、聞いていてとても微笑ましいものですね。そうしたおしゃべりの時間は、いつもの精悍(いい意味で!)な表情を、いったんお休みにして。

というわけで、帰宅したのは夕方6 時頃だったんですが…… まだ空に青みが残ってる! ずいぶん陽が伸びてきました。CDの見本版ができてくるまで、もう少しです。

2010年3月2日火曜日

最終講義


というわけで今日は、遠山先生の最終講義でした。すご~くいい講義で、感動しました!

講義は90分あって、先生の半生を語りつつ、次第にその哲学が露わになるという構成でした。68年のことは、最近特に各所で話されていますが、今日は60年安保のことも、とてもリアルに講義の中に登場しました。もちろん、樺美智子さんの名前も出ました。(つまり、清水哲男さんと同世代なわけです。)

また、戦争責任の取り方、たとえば日本では、公職を追放されたはずの人たちが、いつのまにか政権の中枢に返り咲いていたわけですが、それはドイツでは起こり得なかったといいます。(むろんその背景には、戦争観そのものの相違もあるわけでしょうが。)

そしてこの戦争責任の取り方の曖昧さが、ひいては現在の日本全体を覆う(いびつな)倫理観につながっている。責任感とは、けっして自虐的歴史観のようなものではなく、それが新たな建設の前提になるのだ……

今日は写真係を仰せつかっていたので、だいぶ聞き逃しもあると思いますが、大丈夫、ちゃ~んと録音しました! また明日、渋谷へ向かう電車の中で、じっくり聞くことにします。

遠山先生、素晴らしいお話をありがとうございました。隣の研究室で、光栄でした!

2010年3月1日月曜日

中国、ドイツ、日本、フランス


3月ですね。色々バタバタしているのは、わたしだけ、ではないですよね?

で、現代詩手帖3月号には、「アカシヤの大連で餃子を」の第2回が掲載されています。よろしければ、立ち読みSVP !  ああ、あの緑の瓶のビール、うまかったなあ…… 餃子も、また食べたいなあ……と、現実逃避傾向の今日この頃。(それじゃだめじゃん!)

明日は、わたしの隣の研究室の大先輩、ドイツ語の遠山先生の最終講義があります。

遠山先生とは、先日の大学業務の昼休み、初めて2人だけで昼食をとりました。学食のランチでしたが、先生のお話は面白かったです。

先生のパートナーはドイツの方で、国際結婚にまつわる不合理な法律の数々、あるいは、ドイツにおける戦後教育の意味、それと似ても似つかない日本の戦後教育の不完全さ……

これはだいぶ前に書きましたが、フランスでは、今だに「大航海時代」をGrandes Découvertes 「大発見時代」と呼んでいるようです。これもまた、フランスの教育の在り方が関わっているのでしょう。

どんどん逸れますが、先週末(27日)の朝日新聞に、サルコジ大統領が、ルワンダ虐殺の責任の一端を認めた、という記事が載っていました。お! と思って読んでみましたが、なんだか、ピンとこない感じ。だって、あの時フランスが大量派兵していたら、あんなことにはならなかった、っていうんですから。

そういえば大統領は、ガボンとの安保協定にも署名する方向らしいですね。これは、フランスのアフリカ政策の転換だ、という見方もあるようです。ただ背景には、「フランサフリック」という言葉が端的にあらわしている、フランスの新植民地主義に対する批判があったのは明らかです。

「多くのフランスの企業は、フランスのアフリカ政策の恩恵を受けている(朝日新聞・2月24日)」と、フランス人ジャーナリストが語っていましたが、これはソフト過ぎる物言いかもしれません。そしてそのジャーナリストも言うように、そうした企業たちが、簡単にアフリカという「甘い汁」を手放すとも思えないのです……

というわけで、何も考えないで書き始めたら、こんな内容になっちゃいました!

2010年2月27日土曜日

Martinique


今マルティニックでなにが起こっているか、それを知るには、これです;

http://mangrove-manglier.blogspot.com/

中村さんは若き研究者で、わたしも色々教えてもらっています。で、先日も、マルティニック周辺の音楽事情について問い合わせたところ、とても充実した内容の回答があり、驚いたのでした。

で、その時に教えてもらった中から、すぐに見つかったものをご紹介しましょう。まずは、

「マルティニックでは、Valérie Louri という歌手が注目されています。オーガニック・ソウル系とでもいうのでしょうか。Fanm Lanmou という二枚目のアルバムを昨年出し、人気を博しました。すごくよいのですが、クレオール語を基本とする歌手です。」

それがこれ : http://www.youtube.com/watch?v=UUEJOqo9YwM

「グアドループのSoftというグループ。フランス語、クレオール語で歌います。来日してほしい、実力とセンスのある若手のグループです。Partout etrangerというアルバムです。ぜひ聞いてみてください」

それがこれ : http://www.dailymotion.com/video/x5k4ey_soft-partout-étranger_music

う~ん、これは「木曜日」に使えるかも!? 中村さん、Merci beaucoup !

2010年2月26日金曜日

今日は大学で会議2つ、でしたけど、むしろ気を使ったのは「ナミちゃん・2」の最終校了のほう。そうなんです、今日が最終校了日だったんです。でも考えてみたら、そろそろ締めないと、3月18日の発売に間に合いません。

ただ、ゲラはもう2回出て、そのチェックもすでに終わり、じゃあ今日はと言いますと、これがいわゆる「白焼き」というものが出るんです。いや、出るといっても、わたしたちの手元までは来ません。編集のアキ子さんのもとにだけ、湯気を上げながら到着するのです。

アキ子さんは、今日はその「白焼き」と一日ニラメッコのはず。というのも「白焼き」は、もう今日中に印刷所に戻して! という感じだからです。わたしたちも今日だけは、1日どこにいるか、アキ子さんに伝えておかなくてはなりません。で、アキ子さんは言います;

「まずいところにいらしても,口外はしませんから,大丈夫ですよー」

会議だっちゅーの!(←フル!)というわけで、午前と午後に電話で話し合い、さらにそのあとメールで確認したりしました。で…… これで4月号の直しは終了。あとは出来上がりを待つばかりです。どうぞ楽しみになさってくださいませ!

ところで「白焼き」と言えば、これはやっぱりうなぎですね。「白焼き」の場合、わたしは脂がよく落ちているものの方が好きです。で、「うな茶漬け」というものがありますが、あれも「白焼き」を使ったものの方が好きです。もちろんかば焼きも好きですが、茶漬けは「白焼き」が合うと思います。もちろん、わさびと刻みのりも乗せて!

そうそう、大事なことを思い出しました。みなさん、グレープフルーツが、とても美味しくなっています! ず~~~っと食べているわたしが、これは自信をもってお伝えします。グレープフルーツ、今が旬です!

2010年2月23日火曜日


東京は昼間、最近で1番暖かかったですね。(とはいえ朝は、まだまだ寒かったですけど。)

今日は「今週の収録日」で、いつもの通り渋谷まで行ってきました。ビルの入り口は、もう随分前から「工事中」なんですが、今日はついに、自動改札のような入場ゲートが据えられていました。とはいえまだビニールを被った状態で、本格始動はしていないのですが。

今日の昼ご飯は、原点に回帰して(?)、1階の大食堂で上寿司(700円)です。これはやっぱり、授業期間中は割りと食べる、いなげやの寿司(598円)よりはだいぶおいしいです。何度も同じことを言うようですが、人の手が握ったものは、スーパーの機械製寿司とは次元がちがいます。食べるたびに、そう感じます。

今日の収録では、レナさんが日本のある名曲の一節を、フランス語にして歌ってくれました。これがね、ステキ! ぜひ聞いて欲しいです。さ、何課なんでしょう?(C'est un secret !)

         ◇

さて、去年はスピーカー(のツイーターの片方)が壊れ、修理に出したり大騒ぎ(?)でしたが、実は先日、CDプレーヤーも壊れました。でもねえ、もう20年選手なので、よくがんばってくれたというべきなのでしょう。だいぶ前から、色々不調が出ていたし。

で、奮発してCDプレーヤーをゲット! で、これがなかなかいいんです。ディジタルなんだから、CDプレーヤーはそんなに変わるのもじゃないよ、っていう意見もあるようですが…… それはチガウ! と、わたしが断言してしまいましょう。(っていうか、もちろんオーディオ・ファンはみんなそう思ってます。)

音は、明らかによくなりました。なんというか、ヴェールを1つ脱いだ感じ。最近は「アフリカン・アコースティック」的なものばかり聞いているのですが、くっきり鮮やかに聞こえます。(まあ、そういう方向になるように選んだってこともあるのですが。)

ただもちろん、オーディオはオーディオ。ライブにはかないません。(それは「上寿司」の場合と同じ、と言えるんでしょうか?)ナマの歌声、ナマのギター…… というわけで、ステレオの音がよくなったら、かえってライブに行きたくなりました。(あ、でも今日はプチ・ライブ聞いたんだった、レナさんの!)

2010年2月22日月曜日

これは!


Mmm  これは行かないと!

http://www.institut.jp/ja/evenements/9628

特に、ドベ・ニャオレは聞き逃せません! 楽しみ~!

2010年2月21日日曜日

無駄話です


さてさて、東京はやや暖かくなってきました。「春は名のみの……」の段階を、やっと超えたのでしょうか?

先週は2回収録がありましたが、今週は火曜に1回あります。準備はそれなりに時間もかかりますが、収録自体はにぎやかで楽しいのです。NHKの社員食堂めぐりも物珍しいし!

前回は、はじめて「バラエ亭」にいきました。(と聞いた瞬間、「バラエティー」とのダジャレだってわかりますよね? 分かってなかったのは…… NYっこのナオコさん! でもそれって、「バラエティー」の発音が、彼女の中で [ ヴァイアティ ] だったから?)

このバラエ亭は、そば、うどん、ラーメンなどの麺類を中心に、いわば「蕎麦屋的」なメニューが並んでいます。1Fや5Fの大食堂との大きな違いは、注文した品を、運んできてもらえること。なんだか、ふだん大学食堂を使っている身には、申し訳ないような気がしてきます。ふつーの蕎麦屋やラーメン屋ではそんなこと思わないのに、へんですね。

そういえば、唐突に思い出しましたが、NHKの入り口付近には、ちっちゃい子たちが大勢います。そうです、「おかあさんといっしょ」の小さな出演者たちです。でも、ここまでたどり着くのはすご~く大変なんだそうです。そんなもんなんでしょうか。

唐突ついでに言っちゃいますと、たくさんあるスタジオは、大きさも調度もいろいろ。メインのビニール・ソファが、何か所も破れて中身が噴出しているような部屋もあれば、シンプルで使いやすい、納得の椅子が配されているブースもあります。まあ、わたしはどちらでも気になりませんけど。

でもなぜ気にならないかというと、それはやっぱり、ケンちゃんやナオコさんがちゃんとしてるからですね。準備も万端だし、フォローもしっかりしてるので、わたしたちは収録を楽しみさえすればいい、という状況です。やっぱり、モノより人ですねえ……

では今週も、元気にいきましょう!

*前回使ったスタジオのマイクは、ノイマンというドイツの会社のものでした。(画像)

2010年2月19日金曜日

@銀座


昨日は今週2回目の収録がありました。朝起きた時はまだ雪が降っていて、ちょっと心配になりましたが、なんとか5分遅刻くらいで到着できました。

スタジオを使える時間が、いつもより少しだけ短かったのですが、結局、ふだんと同じ量の収録をすることができました。(といって、ふだんダラダラやってるわけじゃありません、たぶん!)

で夕方からは、銀座に行って、読売文学賞の授賞式に参列しました。「ナマ姿」を初めて拝する作家たちもいらして、ミーハー的にドキドキ。中でも個人的には、池澤夏樹さんと(ほんの少しですが)初めてお話ができ、ビビりました! また、かつて『郊外の文学史』で拙文にも触れてくださった川本三郎さんとも、初めてお話しでき、嬉しかったです。お二人とも、とてもやさしいのでした。

受賞者挨拶の中で「ああ」と思ったのは、丸谷才一さん。丸谷さんは今回、『若い藝術家の肖像』(ジョイス)で翻訳賞を受けていらっしゃるのですが……

「翻訳の花形はなんといっても現代小説。しかしこの分野は、なかなか光が当たらない。河島英昭 さんや若島正さんや越川芳明さんを差しおいて、自分がこの賞をもらうのは申し訳なく……、でも嬉しい!」

丸谷さんの作品もけっこう読みましたが、わたしは『笹まくら』が記憶に残っています。「徴兵忌避者」が主人公なのでした。あと短篇では「横しぐれ」。これもよかったですねえ。

ほかにも、黒井千次さん、大江健三郎さん、高村薫さん、平出隆さんなど、まあ豪華な顔ぶれ。そしてわれらが堀江敏幸さんはといえば、3重4重にファンに取り囲まれ、なかなか近づけませんでした! 堀江さんをはじめ受賞者のみなさま、改めて、受賞おめでとうございました!

2010年2月17日水曜日

これが辞世……


この15日は、清水哲男さんの72回目の誕生日でした。(パチパチパチ!)で、その日のゾーハイから、まるまる引用させてください。印象深いテキストです。

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February 152010

清水哲男

さわやかに我なきあとの歩道かな


季節外れの句で失礼。「さわやか(爽やか)」は秋の季語。今と違ってこのページをひとりでやっていたときに、毎年の誕生日には、自分の句のことを書いていた。自句自解なんて、大それた気持ちからではない。言うならば、自己紹介みたいな位置づけだった。今年はたまたま今日に当番が回ってきたので、同じ気持ちで……。

自分の死後のことを漠然と思うことが、たまにある。べつに突き詰めた思いではないのだけれど、死は自分が物質に帰ることなのだから、実にあっけらかんとした現象だ。そこに残る当人の感情なんてあるわけはないし、すべては無と化してしまう。その無化を「さわやか」と詠んだつもりなのだが、こう詠むことは、どこかにまだ無化する自分に抗いたいという未練も含まれているようで、句そのものにはまだ覚悟の定まらない自分が明滅しているようである。

この句を同人詩誌「小酒館」に載せたとき、辻征夫が「辞世の句ができたじゃん」と言った。ならば「オレは秋に死ぬ運命だな」と応えたのだったが、その辻が先に逝ってもう十年を越す歳月が流れてしまった。この初夏、余白の仲間を中心に、辻の愛した町・浅草で偲ぶ会がもたれることになっている。『打つや太鼓』(書肆山田・2003)所収。(清水哲男)

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(見やすさのために、引用者が3部に分けました。)もとはこちら;

http://zouhai.com/

2010年2月16日火曜日

あの企画


今日はまた大学業務があって朝から大学へ。さむ! といっても、この前の土曜、あの雪のぱらついていた日ほどじゃありません。

で、まあ無事仕事をこなし、天気が崩れる前に帰宅すると、白水社のタケちゃんからメールが。

「本日、本格的に企画通りました!」

おお、待ってました! この「企画」、去年の春ごろから浮き沈みしていたやつです。そう、「ソウルトレイン」だの「新宿のディスコ」だの書いてたことがありましたけど、あれです! わたしはの部分はともかく、共著者である個性が光る3人(中島岳士さん、雨宮処凛さん、能町みね子さん)と、素晴らしい導入部分を書いてくれたわが同僚・管啓次郎さんの文章は、読むに値します。

とはいえ、まだ「本のタイトルを決めなくちゃ!」という段階であるのも事実。今しばらく時間がかかると思いますが、どうぞご期待ください。進行状況は(ムリヤリ)報告いたします!

2010年2月15日月曜日

イラスト&ミュージック


というわけで今日は、いつもの渋谷で収録でした。ポツポツ雨が降り、なんだか関東地方の冬晴れが恋しいです。

収録自体はごく順調(だと思います)。レナさんは相変わらず元気だし、ケンちゃんもナオコさんもてきぱき仕事をこなします。途中、NHK出版のアキ子さんもゲラの回収に来てくれました。

そうそう、でアキ子さんは、4月号のイラストラフも持ってきてくれました。描いてくださるのは、前回に引き続き神山ますみさんです。

http://www.masumik.com/

お分かりだとおもいますが、絵の中の風船をクリックすると、色々楽しいものが出てきます。

で今回は、少し成長したナミちゃんを、ということで、これがまたいい感じに仕上がっています。どうぞ、楽しみにしてください!(そうなんです、やっぱりNHKのテキストは、かなり大事に作られています。)

それからそれから、CD のオープニング&エンディング曲も、新しいものに変更になります。これがね、バリバリの作曲家に引き受けてもらって、何度かやり取りした後、今日、わたしが思うにはかなりいい曲があがってきました。もちろん、最終的には担当のマユミさんの判断を仰がなければなりませんが、これもまた、嬉しいことです。

で、こうしたことの楽しさすべてが、リスナーの方に伝わるといいんですけど!

2010年2月14日日曜日

フランス語たち


さて今週は、収録が2回あります。(先週取らなかったツケが回ってきてるんですね。)

でここ数日は、その準備やらなにやらしていたんですが、どうもね、やっぱり人間あせるといいことはなくて、せっかく書いた原稿を消してしまったり(涙)、見直したのに更新し忘れたり(涙)と、困ったものです。

ところで、来年度の新番組には、カナダやニュー・カレドニア出身の人たちが出てくるんですが、彼らの話すフランス語は、(番組の中では)「フランスのフランス語」です。これはね、ちょっと迷いはしました。が、「カナダのフランス語」や、「ニュー・カレのフランス語」を取り入れるのは、やはり「入門編」には向かないかなあ、ということになりました。

ただ逆に言うと、カナダの人はこんな言い方しないよ! ということもありそうなんです。でもそこはまあ許していただくことにして…… ただもちろん、「フランス語は1つじゃない」というのは、レナさんもわたしも共通の認識です。

こと文学の世界では、フランス語はパリ中心主義だったといえるようです。野崎歓さんの言葉を借りれば、「『ボヴァリー夫人』はあんなに写実的なのに、言葉に限っては、まるで写実的じゃなかった。ノルマンディーの人庶民たちが、あんな平準化したパリ風のフランス語を話してたはずはないんだから」ということになります。これはとてもおもしろい指摘ですね。

番組の性質上、ほんとにいくつものフランス語を登場させることはできませんが、その代わりに、せめて色んな地域の曲をかける予定です。それらを通して、いろんなフランス語を感じましょ、というつもりではあるんです。(もちろん、歌になると突然パリ風フランス語になっちゃう場合もありますが。セリーヌ・ディオンみたいに!)

というわけで、更新し忘れからまだ立ち直れないまま(涙←しつこい!)、とりとめなく書いちゃいました! 今週も元気で!

2010年2月12日金曜日

Where the Wild Things Are


今日は、昼を挟んで会議が2つ。学生は休みに入りましたが、大学自体は忙しい時期です。

で、ラジオの仕事仲間が、こんなブログをやっているのでした。

http://blog.goo.ne.jp/metalbaby39

おお、ここにも MIKA 好きが一人!(ね、batayam ?)来週は、収録が2回。よろしくお願いします!

で、このWild Things を見て思い出したのが、なかなかシュール(?)なオペラ版です。

http://www.youtube.com/watch?v=WU9XmMjqoGA

なんだか意味もなく、It must be very far ~~~~! のメロディーが好きだったんですが、それはこの(下のリンクの)出だしです。

http://www.youtube.com/watch?v=rZxp10AV6-U&feature=related  

久しぶりに聞きましたが、なぜ好きだったのかよく分かりません!

2010年2月11日木曜日

写真展×2


先週買ったパリ・マッチによると、今パリで、2つの対照的な写真展が開催されているようです。それを紹介する記事のテーマは、「L'identité française des images」。イメージにおけるフランス人のアイデンティティー、ということでしょうか。

2つの展覧会とは、Izis と Luc Choquer のものです。前者がかつての、後者が今の、フランス人のアイデンティティーを写している、という見方です。Izis の写真は、たとえばこんな感じ;



Choquer のほうは、そもそもこの紹介記事にぴったりの写真集をすでに発表しています。(上の画像。)で、写真はたとえばこれです。



これは、グアドループのある家族をとったものだそうです。彼は、William Klein と Robert Frank を敬愛していると公言していて、いわば自分の「隣人」を撮りたかったんだ、と言っています。そして自分の視線は、人類学者のそれなんだ、とも。んん、なるほどね。

この前の「フランコフォニー」の会の折りも、「フランスのアイデンティティーは?」という質問に、しどろもどろになっていた大使館員のことをご紹介しましたが、この「アイデンティテイー」って、やっぱり曲者ですねえ。

                                                      ◇

先日この場を借りて、デザイナーのI さんにメッセージを届けましたが、嬉しいことに、こちらで用意した曖昧なヒントから、とても素敵な作品を描いていただきました。Merci beaucoup !  その作品は、NHKテキストの4月号で!

2010年2月10日水曜日

メディア芸術祭



今日はくもり空の下、新国立まで「メディア芸術祭」を見に行ってきました。なんだか仕事がたまっていないわけでもないのですが、この展覧は会期が短くて、わたしの場合もう今日しかない感じ。

http://plaza.bunka.go.jp/festival/2009/information/

で、結論から言えば、わたしにとっては期待したほどではなかったかも。こんなこと言ってはナンですが、「新しいゲーセン?」という印象もあったし。まあ入場無料なので、文句は全然言いません。

中で、ちょっとおもしろかったのは、『忘念のザムド』です。どうもずいぶん有名なアニメらしいのですが、わたしはアニメはカラッキシなので、今日初めて知りました。椅子が20ほど並ぶ小部屋でしばし鑑賞。


このアニメが面白いのは、ありがちな明るく元気な「青春もの」のような滑り出しなのに、その海辺の町の空には、いつでも奇妙な物体が浮かんでいること。そしてよく訳のわからない事情から、主人公らしき高校生(?)は、「ザムド」と呼ばれる怪物(?)に変身してしまうのです。いわゆる「アニメ的な明るい日常」が、そのまま連続的に「SF的世界」に連結されてしまう、この落差。第1話を見た限りでは、そのへんにとても惹きつけられました。

(でもネットに書き込まれたレビューを見ると、「尻すぼみ」だという意見もあり、今日見た第1話だけでは、大したことは言えないのですが。)

とりあえず、続きが見たい感じではあります。(アニメが見たいと思ったのは、何年ぶりかなあ……)

2010年2月8日月曜日

無段階


みなさん、お元気ですか? 寒いですが、どんどん陽が伸びていますね。

大学は今「入試の季節」を迎え、なかなか緊張した雰囲気に包まれています。個人レベルでいえば、これは比喩ではなく、肩が凝ります! でも、普段お話しすることの少ない先生たちとおしゃべりするのは、それなりに楽しいです。

理系の先生とのおしゃべりでは、やはりトヨタ問題が盛り上がります。たとえばプリウスのブレーキの問題についてなら、こんな話を聞きました;

あの2つのブレーキ・システムは、要はアナログ&デジタルの組み合わせだそうです。で、アナログなら、これは誰でも基本的に同じような「踏み心地」が得られるのですが、それはアナログが、いわば連続的な(無段階的な)ものだから。

それに対してデジタルにおいては、XとYはいわば階段状に関係し合っているので、その階段の1段をどれくらいに設定するかが問題になる。つまり、Aさんにとってはスムーズと感じられる「踏み心地」が、Bさんにはちょっとずれて感じられることも出てくる……

「じゃあ、その階段をほとんど無限に細かく設定すればいいんじゃないんですか?」
「だからそれはもう、アナログなの」

なるほどねえ。と、素人くさいレベルで納得してしまう今日この頃なのでした!

2010年2月6日土曜日

Hope For Haiti Now


エムリン! Many rivers to cross !   ああ、たしかになあ…… So many rivers ……

http://www.mtvjapan.com/video/program/29055

そしてエムリンのあとに自然に再生されるvideoも圧巻です。で、ほか多数!

2010年2月5日金曜日

@ジュンク堂


というわけで、昨夜は池袋ジュンク堂でトーク・イベントがありました。小さな会場ではありますが、おかげさまで満員になりました。寒い中足を運んでくださったみなさま、ほんとにありがとうございました!(いつもお世話になっている白水社の読書家コバちゃんも、merci !)

実はわたしも、お2人の詩人にお目にかかるのは昨日が初めてでした(と思い込んでいて、実際会でもそういったのですが、後で伺ったところでは、清水さんとは1度お目にかかっているのだそうです、40年前に! その時わたしは小学生でした。)

お2人の話はとても魅力的で、しかも片言に濃淡があるというか、片言の裏側の眼が光るというか、さすがというほかないものでした。まずはお2人の「来歴」をたどりながら、その時々における「東京」との距離を測り、「東京」がいつどんな風にして対象化されてゆくのかをたどりました。

東京(中野)~山口~大阪~東京(あきる野)~京都~東京(中野、御徒町、三鷹……)という行程をたどった清水さんは、やはり山口体験や京都大学時代の経験が、東京を思考する上でかなり重要な意味合いを持っているようでした。特に、東京的人間関係の価値や、可能性の開き具合について。

東松山~鶴川周辺~阿佐ヶ谷~NY~東松山~高円寺周辺~池袋、という行程をたどった木坂さんの場合、阿佐ヶ谷にいたOL時代の勤め先である銀座体験が大きかったようです。昼の顔、夜の顔…… その銀座は、芸術系の学生としてギャラリーなどに通っていた時の銀座とは、あきらかに別のものだったというのです。なるほどねえ。

で、やがて話は「東京」に収斂し、未来の「東京」についての予感にまで広がっていくのでした……(となっているように願ったのですが。)

そして会の締めくくりには、お2人に朗読をしていただきました。(そのことを告げると、会場から、期せずして拍手が。もっとたくさん朗読していただくべきでした。すみません!)でもいいですね、朗読って。

わたしはといえば、あいまいな司会をしながらも、お二人の話を堪能しました。実は司会について不安もあったのですが、お2人がとても上手にお話ししてくださるので、とてもとても助けられて、なんとか90分持ちこたえました。お二人に、そして90分お付き合いくださったみなさまにももう1度、merci mille fois !

というわけで、深く記憶に残る、いい夜でした。

*画像は、清水さんも木坂さんも「いい」とおっしゃっていた、エドワード・ホッパー、Nighthawks。

2010年2月3日水曜日

いちご白書?


今日は久しぶりに大学に行き、会議(のようなもの)が3つ! 連続でありました。というわけで、1時から5時半まで、めまぐるしい展開でした。

また、就活ルックの学生がみょーに多いと思ったら、大学で説明会があった模様。何人か知った顔が、ピカピカの1年生の雰囲気をかもしながら、「ちわーす!」。やっぱり、髪型がいつも通りなので、なんとなく不釣り合い。ま、それもまたよし、かな。

             ◇

今は、週刊誌の書評も、ネットで見られるんですねえ。「サンデー毎日」、これです。

http://mainichi.jp/enta/book/review/news/20100202org00m040041000c.html

そしていよいよ明日はジュンク堂です。緊張してきました!

2010年2月2日火曜日

『正弦曲線』、受賞


朝には雪の残っていた東京。そして冷たい風も吹いていましたが、今日も元気だ収録が楽しい! というわけで、渋谷へ行ってきました。

今日はいつものフロアーとは違う、倍ほども広いスタジオへ。広いのは気持ちいいです。(ちょっと寒いけど。)

でいつもの通り収録したのですが、今日1つ問題になったのは、説明の中に使われていた英文でした。ちゃきちゃきのNYっ子っであるナオコさんから物言いがつき、検討の結果行司差し違いにより、例文を差し替えて取り直しに。でもねえ、スタッフの中にこういうメンバーがいるととても助かります。ナオコさん、今後ともチェックよろしくお願いします!

で、今回の番組では、毎週木曜日に曲をかけるのですが、今日登場したのは初のアフリカ系歌手、あのマリのデュオです。これがねえ、ナオコさんにも、チーフのケンちゃんにも好評。わたしも大好きな歌手だけに、気を良くしました!(そういえば、先日遊びに来た弟にも好評でした。う~ん、これはどういう意味なんでしょう?)

ケンちゃんは、以前NHK国際放送にいた時期もあったそうです。

http://www.nhk.or.jp/nhkworld/french/top/index.html

その時にはマリのバレー団(といってもバレーではなく、民族的な踊りだったそうですが)の取材などにもあたったといいます。そしてこの国際放送部には、たくさんの手紙などが来て、その半数はアフリカからだとか。ああ、こんな形でアフリカと繋がっている部分もあるんですねえ。放送の力、といえるのでしょう。

NHKでの仕事は、色々出会いや発見があって面白いです。もちろん、レナさんは相変わらず忙しそうで元気でした。

             ◇

今日発売の「サンデー毎日」で、池内紀さんが『東京詩』の書評を書いてくださっています。ありがたいことです。

そしてそして大事なニュース! 以前ここでもご紹介した堀江敏幸さんの『正弦曲線』(画像)が、読売文学賞をゲットしました!(パチパチパチパチ)素晴らしいですねえ。これも前にも書きましたが、今わたしがいる研究室は、元堀江研究室です。壁の傷は、堀江さんの本棚がつけたものに違いありません。(ついでに、サインしといてもらえばよかった!)というわけで、おめでとうございました!(パチパチパチパチ!)

2010年2月1日月曜日

R.I.P. Salinger


やっぱり、サリンジャーのことは全然触れないというわけにもいかない感じがして、ほんの小さなことを。

初めて『ライ麦』を読んだのは、中3の時。今思えば、それまで読んだものの中で、1番鮮烈だと感じていた気がします。で、続けて文庫も何冊か読んだ記憶もあります。そしてそうして読んだ短篇群もまた、鮮烈な印象でした。学校の読書感想文とやらにも、サリンジャーの小説のことを書きました。なんだか、一所懸命書いた記憶があります。

で高校生になって、生まれて初めて買った英語のペイパーバックが、銀色の表紙の The Catcher でした。教科書ではお目にかからない略語や隠語が、何も知らない高校生に、「これが本物の英語!」という想いを抱かせました。

わたしは多分、同じ本を再読するということが少ないほうだと思うのですが、それでも『ライ麦』は、高校の時も、大学の時も、それから村上訳が出た時も読みました。

新訳については、当時いろんな論議がありましたが、正直なところ、これはわたしにはどっちでもよかった。大事なのはThe Catcher そのものでした。

そういえば、村上訳が出た時には、当時担当していた法政大学の英文科の授業で、『ライ麦』の話をしました。(フランス語の授業だったんですけどね。)すると授業後ある女子学生が、その本を貸してくれと言いに来て、翌週貸すことになりました。で、帰ってきたのは、数ヵ月後でした。というのも、ずいぶんたくさんの学生たちに回し読まれたからです。

なんだか、まるっきり個人的な話になってしまいましたが、どうも『ライ麦』が相手だと、社会学的な読みや、分析的な切り分けをする気になりません。ま、「青春の書」、ということなんでしょうか。

ということで、R.I.P. Salinger, そして R.I.P. Holden Caulfield.  (いや、ホールデンはまだ眠らないのかな……)

2010年1月31日日曜日

DOBET GNAHORE


コート・ディヴワール出身の女性歌手、DOBET GNAHORE (ドベ・ニャオレ・画像)をご存知でしょうか。

http://www.youtube.com/watch?v=rvSwxK5PWjk (←曲名は「Woman」の意。)

このところわたしは、彼女のCDと、彼女が参加している「Acoustic Africa」というアルバムをよく聞きます。

まずドベ・ニャオレのCDは、Na Afriki です。このCD が面白いのは、色んなアフリカの言葉(ディダ語、ウォロフ語、マリンケ語、リンガラ語など)で歌われていることです。(フランス語は使われていません。)もちろん、音も好き。

で彼女、この3月に、日仏のイベントに登場するらしいんです。楽しみです!

(そういえば、以前ここで Bisso Na Bisso をご紹介しましたが、このグループ名はリンガラ語だそうです。この前のアフリカ・ナイトの時、教えてもらいました。)

そしてもう1枚が、Acoustic Africa 。こちらも、まさにアコースティックなアフリカです。(そのまんまかい!)わたしは好きです。(ただこちらは、You Tube にいいのがありません。CDはYou Tube にあるものより、はるかに繊細です。)

いつか勉強しようかなあ、リンガラ語!

2010年1月28日木曜日

色々と

去年、左右社から同時刊行された3冊のうち、『本は読めないものだから心配するな』が重版になっています。(パチパチパチ!)気持ちは「シリーズ本」なので、こちらも嬉しいです。書評もとてもたくさん出ているし。

たとえば、火曜発売の「週刊朝日」の今週号。とても深く内容にコミットした、それ自体が一つの「島」であるような書評が出ています。どうぞご覧になってください。

そしてそして、管さんは早くも! 新刊の登場です。タイトルは『斜線の旅』。これがね、いいんです。装幀もそそられるし。

この本に収められた「旅」の中で、ここを読んでくださっているみなさんに特に読んでいただきたいのは、やはり「冬のフランス」です。ぜひ読んでください。紋切り型とは程遠い「パリ」です。

毎週顔を合わせる同僚ながら、このごろ管さんの文章の、密度というか、凝集というか、凝集ゆえの爆発というか、そうしたものがとりわけキラキラして見えます。まったくもって、他にない書き手です。

で今日、「現代詩手帖・2月号」がついに発売になったのですが、そこでは、管さんの書評(今福龍太編『アルフレッド・アルテアーガ+高良勉 詩選』)と、シリーズ本の仲間・波戸岡景太さんの(二十億光年ならぬ)「八・六光年の孤独」と並んで、わたしの大連旅行記の連載も始まっています。

この連載、当初3回ほどの予定だったのですが、都合で6回程度まで伸びることになりました。だんだん面白くなります(!)ので、よろしかった立ち読みでもしてくださいませ。(大きい書店には置いてあるはずですが、慎重を期すなら確認したほうがいいかも。)ちなみに、本文中に使われている二枚の写真も、旅行中に撮ったものです。(そのうち一枚は、たしかブログにアップしたような気がします。アカシヤの花のやつです。)

そして、2月4日のトーク・イベントが近づいてきたのですが、清水哲男さんがゾウハイで、「カラカラ天気つづきの東京。父の問題でこちらの心身もカラカラ状態。」とお書きになっていて、少し心配しています。

ゾウハイ: http://zouhai.com/

そうそう、じゃあついでにプチ報告を1つ。「フラ語シリーズ」の末っ子、「フラ語会話、恋ってどんなものかしら?」が重版です。この本、わたしも気に入ってるので、嬉しいです。よかったね、タケちゃん!(この本の巻末の<歌>を1つ2つ、「ナミの東京日記」でレナさんに歌ってもらう予定です。ナイス企画! と自画自賛。)

2010年1月26日火曜日

Indigènes


手元にあって見ていないDVDの中から、
『デイズ・オブ・グローリー』を見ました。

ご覧になった方はご存知ですが、
まだご覧になっていない場合、
このタイトルからどんな映画を想像なさるでしょうか? 
『栄光の日々』。
パッケージから戦争ものと分かるのですが……

これはよくあるアメリカの戦争映画に似て、
何らかのミッションを達成するために、
仲間の何人かを失いながら、
それでもなんとか「栄光」を勝ち取る、というような、
まああってもなくてもいいような映画じゃないか、
と疑ってしまいます。

(*以下、ネタバレあります。
でも、これはネタバレしてもしなくても、
そんなに変わらないと思います。)

実はこれ、
フランス・アルジェリア・ベルギー・モロッコ共同制作の作品で、
原題は Indigènes。
辞書には
「(植民地の)現地人」
とありますが、この語は、
フランスの「アフリカ植民地軍」の通称でもありました。

映画の舞台は1943年。
アルジェリアやモロッコで徴集された4人を中心的に、
物語は進みます。
彼らのうち3人は、
貧しく、文盲で、金のために志願しています。
残る1人はやや知的&自覚的な人ですが、
フランスを愛し、
同時に植民地の独立を夢想しています。
つまり、ナイーブすぎる……

そして彼らは、訓練らしい訓練も受けないまま、
戦闘の最前線に放り込まれます。
言ってみれば、フランス人兵士の盾として。
彼らが属しているのは;

http://fr.wikipedia.org/wiki/7e_r%C3%A9giment_de_tirailleurs_alg%C3%A9riens

であり、これはさらに

http://fr.wikipedia.org/wiki/3e_division_d%27infanterie_alg%C3%A9rienne

に組み込まれています。
そしてこの wiki のページの1行目に書かれているのは

... elle s'illustre particulièrement en Italie en 1943, puis en Alsace.

そうです、このイタリアとアルザスでの戦いが、
映画の主要場面にもなっているのです。
でも、 彼らがどんなに活躍しようと、
昇進はフランス人のもの。
「醜いアラブ人」はのけものなのです……

この映画は2006に公開され、
フランスでは300万人が見たそうですが、
日本では未公開でした。
映画としては、やや粗いところもなくはないと思いますが、
このテーマを作品化したこと自体、素晴らしいと思います。

13万人いたという Indigènes。
彼らの子供たちはまだ生きているでしょう。
タクシー・シリーズのサミー・ナセリ、
「アメリ」や「アンジェラ」のジャメル・ドゥブーズらが出演しています。

2010年1月25日月曜日

上寿司は700円



今日の東京は暖かく、いい日和でした。だいぶ陽も伸びて、それはなんとなく嬉しくなる自然現象ではあります。

で今日は、「ナミの恋する東京日記」の収録日でした。朝10時から3時まで。いつもの通りNHKの中のスタジオでの作業でした。で……

昼食は(と、すぐ食べ物の話になって恐縮です!)、NHK内の社員食堂。ここで食べるのは1年半ぶり。編集などを担当してくれているナオコさん、レナさん、そしてわたしの3人は、みんな仲良く上寿司・お吸い物付き(700円)。チーフのケンちゃんだけは、変わり揚げ定食・みかん付きです。

社食で700円というのは、やや高いのかもしれません。(まあ、今日はごちそうになったんですが。)でも、ちゃんと人が握ってくれるんです、機械じゃなくて。わりにスーパーの寿司を食べる機会が多いわたしの場合、その違いは嬉しいものでした。やっぱり、人が握ってくれたもののほうが、ずっといい感じですね。

その後スタジオに戻り、みなさんが再開前の打ち合わせしている間、わたしは録音の技術さんとちょっとおしゃべり。話は、NHKで使われているスピーカーに。

なんでも、現在使われているスピーカーを導入する際、その選定には3年もかかったとか。数十社の中から、まずメンテナンスや生産体制などがしっかりしているメーカーを選び、その上で、何回も何回もブラインド・テストを重ねたのだそうです。その時は、その日スピーカーを運び込んできたトラックと出会わないように、通常の駐車場には行かないようにまでしたと言います。ほら、たとえばトラックに「○×音響」なんて書いてあったら、ああ今日はあそこのメーカーのスピーカーか、と分かってしまうからです。う~ん、厳密です。

で、無事収録も終わり。その後は、ちょっと隣のスタジオに顔を出しました。というのも、そこでは中級編の収録が行われていたからです。ご担当は、澤田直先生です。

初級編がおちゃらけている(!)のに控え、中級編はとても知的で、格調高い番組になっているようでした。金曜日が楽しみですね!

それからもう1つ。NHK宛で時々お便りを頂くのですが(Merci !)、今日頂いていた中に、「ナミパリ」から勉強して、なんと仏検準2級の口頭試問までたどりついたという方がいらっしゃいました。これはねえ……すごいです。準2級といえば、大学のフランス文学科が1つの目安とするレベルです。もちろん、ご自身で相当お勉強しなければ、これはあり得ないことなのですが、まあほんの少しでもお役に立てたなら、とても嬉しいことです。ありがとうございました!

というわけなんですが、また来週早々には収録があります。さ、準備準備!

2010年1月23日土曜日

waves



大変申し訳ありません、「夜10時」ではなく、「朝10時」でした、ストリーミング放送! というわけで、わたしも完全に見逃しました……(涙) まあその時間は、ちょうど大学で打ち合わせ中で、どうせ見られなかったんですけど。

そうです、今日は土曜日でしたが、2つに会議と、3つの打ち合わせがありました。大学はそろそろ入試臨戦モードに入り、わたしたちも業務が増えてきてます。ただ今日は、2つの会議が両方とも短かったので、大変じゃなかったですけど。

ところで、このごろ vaio で「恋する東京日記」関連の仕事をする時、ほとんど流しっぱなしにして音だけ聞いている You Tube があります。これです;

http://www.youtube.com/watch?v=50_p7H-OYlk&feature=PlayList&p=C57B7E4A1A24DE7A&index=0&playnext=1

自然音の場合、わたしは音楽が入っていないタイプが好きです。CDも少しは持っていて、こちらももちろん使います。今は、蝉に鳴いてもらったりすることはありませんが、時には、部屋に雨を降らせたりはします。雨は、「心のシャワー」という面があります。(マジで。)洗われた、という感じです。

で、その後最初に聞く音楽! これがいいんですよねえ……